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「世界を取り込んでいく力を」

令和の時代になり、ますます情報は行き交い、我々大人が過ごしてきた時間とは全く異なる時間を、子どもたちは過ごしています。判断に迫られ、選択をする中で、迷い、自分を見失い、探すー。情報の中で孤立してしまう子どもも少なからずおり、自ら価値を創造できない中で生きにくさを感じてしまうケースもあります。既に大人が一方的に与える時代ではなく、大人自身も、世界を子どもの目を通して考えなければならない時代に差し掛かっていると言えます。

そのような子どもたちの道標となるのは、教育です。情報を収集し、思考し、判断し、行動に結びつけてゆく、技術、思考力、発信力、行動力。それらを、教育を通して身につけてもらう。これが、現代を生きる私たちのような指導者の使命です。

​待ったなしで時は流れ、子どもたちも成長していきます。大人になった時に、学んでいてよかった、経験しておいてよかったと思える財産のような時間を提供すること。これを最大の目標として、日々研鑽を重ねているのです。

地球

「紅人会のはじまり」

2012年5月15日月曜日。まだ大学院を出て佐賀の地に戻ってきたばかりの私は、小さな教室で進学塾を設立しました。経営のいろはも分からなかったため、当時はなかなか生徒が集まらず、赤字経営が続いておりました。私の心の支えとなっていたのは、気持ちの良い挨拶のできる素直な子どもたちと、いつも協力的に関わってくださった親御さんでした。

​長らく大手で指導をしてきましたが、それでも、まだ実力的に不足するところの多い子どもたちを一挙にどう導いていくのか、という点について勝手が違い、一から育て上げていく難しさも同時に感じていました。

経営の面でも、教育指導技術の面でも不足を感じながら、今までに感じたことのないストレスを覚えていたこともあり、塾自体を廃業すべきかどうかすら悩んでいたこともありました。

​しかし、1年、また1年と合格実績を蓄積していくと、地域からの評価も変わってきて、あるタイミングから一気に生徒数が増加し、賑やかな塾へと変化を遂げていきました。

「新しいチャレンジ」

2012年、まだ駆け出しであった私に、株式会社glodingの教育アプリケーション開発の監修の声がかかりました。なかなかできない経験だと思い、それに参加させていただくことになりました。教育アプリケーションの黎明期であり、私自身、右も左も分からない中、ミライプロジェクトを共に進めさせていただきました。

半年〜2年ほどの開発期間を経て、あるタイミングでApple社の教育アプリケーション部門の1位〜13位を、ミライプロジェクトの開発したアプリが独占しました。ランキングを見ていて、夢のような気持ちに浸ったことを覚えています。片田舎の佐賀県であっても、チャレンジすることはできるのだ、ということに気づき、視野が広がっていきました。

教育アプリケーションに携わる中、国際連合のPKO活動に参加し、国連ウェブサイトやコロンビア大学のウェブサイトの制作にも携わっていたアーティストである武藤樹一郎氏に当塾のロゴを制作していただきました。騙し絵のような作りになっており、子どもと、子どもを取り巻く世界をイメージし、「世界を取り込んでいく力を」という教育理念から作成していただいたものです。

3人の子供たち

「幼稚園児との出会い」

学習塾に携わる傍ら、市内の幼稚園の園長先生からお声がかかり、幼稚園生の年長児向けのワーク指導をスタートしました。既に、教え始めてから10年ほどが経過しました。幼稚園児には一体どれくらいのことができるのか、手探りながらスタートしたワーク指導でしたが、現在は完全にオリジナルの教材を作成して指導できるようになりました。

幼稚園児の指導を通して気がついたのは、幼稚園児はまだ使いこなせる概念が少なく、認知発達の段階もこれから踏んでゆかなければならないものの、考えていることは実はそこらへんの小中学生や大人とも遜色ない部分があり、特に、「気づき」の面では思ってもいない疑問を持つことができる、など、大人になって忘れてしまっていたものにたくさん気付く機会がありました。

幼稚園児の指導を通じて、子どもの遊び、園でのコミュニケーションや教育的関わりが、そのまま年齢が上がっていても反映されており、幼稚園の時期は一生涯において最も大切な能力形成、人格形成の時期にあたるということを理解しました。​そして、このタイミングで私は幼稚園の年長さん〜高校3年生までの一貫した育ちに毎年関わることができる佐賀県下でも珍しい指導者となりました。

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